
感染症ではないので、直接さわったり、一緒にお風呂やプールに入っても、他者やペットにうつることは決してありません。
次の治療について、考えてみませんか?
慢性的に炎症が起こる乾癬の仕組みや、尋常性(じんじょうせい)乾癬などの主な皮膚症状の種類や特徴についてご紹介します。
乾癬とは、慢性的に炎症が起こる皮膚の病気です。特徴的な症状には、皮膚が炎症を起こして赤くなる紅斑(こうはん)、皮膚が盛り上がる浸潤、その表面が白くなる鱗屑(りんせつ)、それがフケのように剥がれ落ちる落屑があり、関節が痛くなったり腫れたりする場合もあります。また、爪に症状が出ることもあります。
乾癬は、免疫作用として外敵から体を守ってくれるはずのサイトカインという物質が過剰に働くことで起こります。サイトカインにより、リンパ球が炎症を引き起こすさまざまな物質を生み出し、皮膚や関節に症状があらわれます。
出典:⽇本⽪膚科学会ホームページ、あたらしい⽪膚科学(第3版)、困ったときに役⽴つSTEP UP乾癬診療
紅斑、鱗屑などの皮膚症状が主となるタイプで、乾癬全体の約90%を占めています。頭部、肘、膝などの特徴的な部位のほか、全身どこでも皮疹があらわれます。尋常性とは「普通の」、「よくある」という意味です。
皮膚症状に加え、関節の腫れや痛みがあり、しばしば爪症状を伴います。進行し関節が変形すると日常生活に支障をきたすので、早期に適切な治療を受けることが重要です。
*乾癬性関節炎診療ガイドライン2019より
膿疱とは、膿を持った小さなブツブツがあらわれることです。
全身に膿疱が発生し、急激な発熱や倦怠感を伴う場合は入院治療が必要で、国の難病対策として「指定難病※」に挙げられています。
※平成27年1月1日施行の指定難病(告示番号1~110)、 厚生労働省
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062437.html)
(2024年10月17日アクセス)
乾癬の紅斑と鱗屑が全身に広がった状態です。全身倦怠感や発熱を伴うことも多く、入院が望ましい、重症の状態です。
感染症ではないので、直接さわったり、一緒にお風呂やプールに入っても、他者やペットにうつることは決してありません。
出典:⽇本⽪膚科学会ホームページ、あたらしい⽪膚科学(第3版)、困ったときに役⽴つSTEP UP乾癬診療
乾癬の皮疹は次の3つの要素からなります。
乾癬の紅斑は、はっきりした赤色で周囲よりわずかに盛り上がり、境界が明瞭であるのが特徴です。乾癬では毛細血管が拡張し、皮膚の表面に向かって伸びてくるのではっきりした赤色に見え、目立ってしまうのです。
紅斑の上に、角質が白いフケのようになって見えます。非常に厚くなると蛎殻(かきがら)状になることもあります。パラパラと落ちるので、大きなストレスになります。鱗屑を無理にめくると点状の出血(アウスピッツ血露現象)がみられることがあります。
乾癬の紅斑が盛り上がっているのは、新しい表皮を作るスピードが増して、表皮が厚くなっているためです。表皮の一番外側に当たる角質も不完全なまま厚くなり、パラパラ落ちる鱗屑になります。
出典:⽇本⽪膚科学会ホームページ、あたらしい⽪膚科学(第3版)、困ったときに役⽴つSTEP UP乾癬診療
乾癬の皮疹にはこんな特徴もあります。
皮疹は全身に出ますが、出やすいのは頭皮、肘、膝、下腿、背部などです。股や陰部、耳に出ることもあります。爪にも症状がよくみられます。
強いかゆみを伴うケースもあり、QOL(生活の質)を低下させる要因のひとつになっています。
掻く、こする、圧迫するなどの刺激を加えると、サイトカインなどの炎症物質がさらに増し、皮疹が悪化します。乾癬の勢いが強い時は、正常な部分を掻いてもそこに乾癬の皮疹があらわれます。これはケブネル現象と呼ばれています。
乾癬は長期にわたって症状の悪化と軽快をくり返す病気です。しかも、皮疹が形成されるスピードが速く、昨日はなかったところに紅斑があらわれたり、赤みが急に強くなったりすることもあります。
出典:⽇本⽪膚科学会ホームページ、あたらしい⽪膚科学(第3版)、困ったときに役⽴つSTEP UP乾癬診療
次の治療について、考えてみませんか?