- 監修:
- 東京医科大学皮膚科学分野 特任教授大久保 ゆかり先生
掌蹠膿疱症の治療は長期にわたることが多く、治療方法によっては、医療費が高額になることがあります。ここでは、医療費の自己負担額を軽減させる制度について紹介します。
なお、詳しくは、ご加入の公的医療保険(健康保険組合、国民健康保険など)やお住まいの市区町村にお問い合わせください。
高額療養費制度
医療機関や薬局の窓口で支払う医療費(自己負担額)が1ヵ月(各月の1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額が支給される制度です。上限額は、年齢や所得に応じて定められています。ご加入の公的医療保険に、高額療養費の支給申請書を提出又は郵送することで支給が受けられます。
注:先進医療などの保険外診療、入院時の食事代や差額ベッド代などは対象外です。
限度額適用認定証(事前の申請)
事前に「限度額適用認定証」、又は「限度額適用・標準負担額減額認定証」(住民税非課税の方)の交付を受け、医療機関等の窓口に提示すると、以降の支払いが自己負担の上限額までとなります。年齢や所得により、手続き方法や提示するものが異なります。
なお、マイナンバーカードを所持している方は、マイナンバーカードを利用できる医療機関では、「限度額適用認定証」がなくても、顔認証付きカードリーダーで情報提供に同意をすることにより、上限額以上の一時支払いの手続きが不要になります。
世帯合算
お一人で複数の医療機関の受診や、同じ公的医療保険に加入している同一世帯の方の受診について、窓口でそれぞれお支払いいただいた自己負担額※を月単位で合算することができます。その合算額が一定額を超えたときは、超えた分を高額療養費として支給します。69歳以下の方と70歳以上の方で条件が異なります。
※:個人ごと、1ヵ月ごと、医療機関ごと、入院・外来・歯科別で計算します。
多数回該当
過去12ヵ月以内に3回以上、高額療養費の払い戻しを受けた場合は、4回目から「多数回」該当となり、自己負担額の上限額が下がります。69歳以下の方と70歳以上の方で条件が異なります。
付加給付
健康保険組合によっては、「付加給付」として、高額療養費制度の上限額よりも低い上限額を設定しているところもあります。付加給付の有無とその上限額については、ご加入の健康保険組合にご確認ください。
医療費控除
1年間(1月1日~12月31日)に一定額以上の医療費を支払ったとき、税務署に確定申告を行うことで所得税が還付される場合があります。次の計算式によって算出した金額が医療費控除として所得金額から差し引かれます。
注:医療費控除により軽減される税額は、その方に適用される税率により異なります。

- 質問: 掌蹠膿疱症は難病に指定されていますか?
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回答:
掌蹠膿疱症は国が定める指定難病ではありません。
- 厚生労働省:高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
[https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf(最終アクセス2024年4月)] - 国税庁:医療費を支払ったとき
[https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/04_1.htm(最終アクセス2024年4月)]